無理難題な要求に対する上手な断り方

介護施設の利用者の中には、お金を支払っていることを理由に介護士に無理難題を言ってくるケースがあります。
例として「夕食が気に入らないから別の食事を用意して」「さっきお風呂に入ったけど汗をかいたからもう一度入浴介助をして」などを要求されることがあります。
特に民間の介護施設では入所金だけでもかなりの額になるため、多少の無理を言っても通ると思っているのかもしれません。

このような無茶ぶりを受けた時、「それは無理です」「それはできません」などとはっきり断るのは避けた方がベターです。
はっきり断ると、利用者が感情的になる上、施設長にクレームが上がって施設内での業務がやりづらくなってしまうリスクが出てくるからです。

もちろん介護士の労働範囲のルールに従い、無茶ぶりを引き受ける必要はありません。
ただ、利用者との関係を悪化させないために、不快にさせない断り方はマスターしておいた方が良いでしょう。

利用者を不快にさせないためには、断る前にクッション言葉をはさむことが重要になります。
「ご要望に応えたいのはやまやまなのですが」「私を頼っていただいて嬉しいのですが」など、相手を思いやる丁寧な言葉を挟んで断れば、利用者も素直に受け入れやすくなるのです。

無茶ぶりに対し、「施設長からNGが出ておりまして」などの断り方はしない方がベターです。
上司からの命令を理由にして断ると、私は無関係と言っているような印象を与えてしまい、利用者の感情を逆なでし兼ねないからです。
無茶なことを言われたときは、本当は要望に応えたいのですが私の力不足でできません、というニュアンスを込めることで相手との良好な関係を保つことができます。